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「瓦はまだきれいだから、そのまま使えないの？」そんなときに選択肢になるのが、これまでの瓦を一度外して下地や防水紙を新しくし、同じ瓦をもう一度載せ直す「屋根葺き直し」です。
屋根材を再利用できるので廃材が少なく、外観もほとんど変わりません。瓦や天然スレートのように寿命が長い屋根でこそ活きる工事です。
ここでは屋根専門のKKルーフが、葺き替えとの違い・向いている屋根・工事の流れ・知っておきたい注意点をまとめてご紹介します。
屋根葺き直しは、今の屋根材（瓦・天然スレート）を一旦すべて取り外し、その下にある防水紙（ルーフィング）や野地板を交換・補修してから、取り外しておいた屋根材を再び載せていく工事です。
「葺き替え」とよく似ていますが、葺き替えが「屋根材も新しくする」のに対し、葺き直しは「屋根材だけ再利用する」点が違います。ですので、耐用年数の長い瓦・天然スレートなどに限って行える工事になります。
ポイント
瓦本体はまだ使える → でも防水紙や漆喰は寿命 → 下地をやり直すついでに瓦は再利用する、という考え方です。
陶器瓦やいぶし瓦は40〜60年以上持つものもあり、実際に日本の古建築では100年以上現役で残っている瓦もあります。一方で、瓦を支えている防水紙・漆喰・野地板はそこまで長持ちしません。
台風のような横殴りの雨になると、瓦の下まで雨水が入り込みます。そこで止めてくれるのが防水紙ですが、ここが古くなって破れたり、浮いたり、穴が開いてしまうと、雨漏りの原因になります。瓦は元気なのに、見えないところが寿命…というときに葺き直しが役立ちます。
1. 瓦が割れていた場合、同じ瓦が手に入らないことがある
古い瓦だと生産が終わっている場合があり、全く同じものが用意できないケースもあります。似たもので差し替えますが、厳密にそろえたい方は注意です（天然スレートも同様）。
2.重さはほかの屋根材に比べれば重いまま
一度全部外してまた載せるので、重さは変わりません。瓦の重さは数トンありますのでおうちへの負担は大きいままになります。
3. 条件によっては新品への葺き替えのほうが将来的にはお得
KKルーフでは、長く安全に使ってもらう観点から、軽くて高性能なガルバリウム鋼板への葺き替えをご提案することもあります。
実際の現場では、おおむね次のような手順で進めます。
再利用する前提なので、一枚ずつ丁寧に外していきます。割れないように種類別・位置別に分けて保管します。漆喰もこの段階で撤去します。
古い瓦屋根だと、瓦の下に土が敷いてある「土葺き」のことがあります。この土も撤去します。瓦桟木という木材の場合は瓦桟木を撤去します。土埃が出るので、高めの足場・メッシュシートで養生しながら行います。
瓦を外した状態でないとできないメンテナンスをここでまとめて行います。野地板が傷んでいれば交換・増し張りし、細いバラ板だった場合は構造用合板で強度を上げます。劣化しやすい谷樋もここで交換しておくと安心です。
防水紙（ルーフィング）を新しく張り、その上に一定間隔で瓦桟木を取り付けていきます。これが現在主流の「桟葺き工法」です。土を使わないので屋根が軽くなり、耐震性も向上します。
取り外しておいた瓦を、位置を整えながら載せ直します。もともとの外観をほとんど変えずに、内部だけ新しくなります。割れていた瓦は同形状のものに差し替えます。
棟瓦のまわりに新しい漆喰を詰め、銅線等でしっかり固定します。ここが甘いとせっかく直した屋根がまた動きやすくなるので、葺き直しの重要ポイントです。
外観はこれまで通りでも、防水紙は新品・屋根の重量も軽くなった状態に生まれ変わります。大きな問題がなければ、ここからまた20年をひとつの目安に安心してお使いいただけます。
どちらが正解かは「今後どれくらい住むか」「外観を変えたくないか」「耐震性を最優先にしたいか」で変わります。KKルーフでは次のようにご案内しています。
「せっかくなら新しい屋根材にしておこう」という選び方も十分ありです。とくに軽量金属屋根は耐震性の面でメリットが大きく、将来的な塗装のしやすさなどを考えてもバランスが取れています。
KKルーフでは、まず屋根上から瓦の状態・瓦枚数・割れの有無・谷の傷み・下地の傷みを点検し、「本当に葺き直しですむのか」を判断します。再利用が難しいときは、その理由も写真でご説明します。
「まずは今の瓦が使えるか見てほしい」という段階でも問題ありません。状態次第で一番ムダのない工事をご案内します。